PowerShellでスクリプトとして呼ばれた時だけ何かする

なんだか最近PowerShellを書く機会が多いのですが、沢山書いていると使い回したくなるのが人の性。 そして使い回していると、テストしたりして品質保証をしたくなります。

そうなるとちょっと困るのが、以下のようなスクリプトのテストの仕方。

function  {
    
}

 > 

バッチファイルっぽく単体で使う分には便利なのですが、これをテストのために別のスクリプトから読み込もうとすると重いさぎょうが走ったりどこかに何かが保存されたりしてしまいます。 これだとかなりテストがしづらいし再利用も出来そうにありません。

Pythonの場合、これを防ぐために以下のような書き方をするのが一般的です。

def さぎょう():
    pass

if __name__ == "__main__":
    どこか.write(さぎょう())

コンソールから実行されたときは__name__変数が"__main__"になるのでさぎょうが実施されますが、モジュールとしてimportした場合は__name__の中身はモジュール名になるのでさぎょうは実施されません。 便利。

これと同じことを、PowerShellスクリプトでやる方法を調べてみました。

自分がなんてコマンドで読み込まれたのかを調べる

PowerShellには、$MyInvocationという変数が定義されているそうです。 なんかすごくサンプル変数名感のある変数名ですが、そういう名前で固定です。

この変数を読めば、自分がどう実行されたか、今どこを実行しているかなどが分かるようです。

コンソールでこの変数を見てみると、以下のような感じになっています。 ほとんど中身が無い状態。

> $MyInvocation

MyCommand             : $MyInvocation
BoundParameters       : {}
UnboundArguments      : {}
ScriptLineNumber      : 0
OffsetInLine          : 0
HistoryId             : 1
ScriptName            :
Line                  :
PositionMessage       :
PSScriptRoot          :
PSCommandPath         :
InvocationName        :
PipelineLength        : 2
PipelinePosition      : 1
ExpectingInput        : False
CommandOrigin         : Runspace
DisplayScriptPosition :

一方、スクリプトファイルの中身から見ると以下のようになります。

> echo '$MyInvocation' > test.ps1

> ./test.ps1

MyCommand             : test.ps1
BoundParameters       : {}
UnboundArguments      : {}
ScriptLineNumber      : 1
OffsetInLine          : 1
HistoryId             : 3
ScriptName            :
Line                  : ./test.ps1
PositionMessage       : At line:1 char:1
                        + ./test.ps1
                        + ~~~~~~~~~
PSScriptRoot          :
PSCommandPath         :
InvocationName        : ./test.ps1
PipelineLength        : 1
PipelinePosition      : 1
ExpectingInput        : False
CommandOrigin         : Runspace
DisplayScriptPosition :

今回の目的に使えそうなのは、InvocationNameの部分。 ここに、実行時のコマンド名(引数を除く)が入ります。

色んな呼び出し方で試してみると以下のような感じ。

> echo '$MyInvocation.InvocationName' > test.ps1

# スクリプト的に呼んだ場合
> ./test.ps1
./test.ps1

# モジュール的にドットソース演算子で読み込んだ場合
> . ./test.ps1
.

# 呼び出し演算子で実行した場合(右クリックして「PowerShellで実行」とかはこれ)
> & ./test.ps1
&

この変数を使って、どうやって呼び出し方をしたか分岐が出来そうです。

スクリプトとして呼ばれた時だけ何かする

というわけで、$MyInvocation.InvocationNameを使って分岐してみた例が以下になります。

function  {
    
}

if ($MyInvocation.InvocationName -ne ".") {
     > 
}

これなら他のスクリプトから. ./test.ps1のように読み込んだ場合は読み書きや処理が発生しないので、テストも容易です。やったね。

&かどうかで右クリックから実行したかコンソールから実行したかの分岐も出来るかもしれません。もしかしたら。 (ほかに&で呼ばれる場面が思いつかないけれど、もしあったらダメかも)


参考: PowerShell Deep Dive: Using $MyInvocation and Invoke-Expression to support dot-sourcing and direct invocation in shared PowerShell scripts – Poshoholic