Next.js + MDXでブログを作る 〜 Blanktarの場合

このブログはMDXで書かれていて、それをNext.jsでサイトにしています。 Next.jsはブログ用に作られたものではないので、少し工夫が必要な箇所がありました。 というわけで、その工夫のまとめです。

FrontMatter付きのMDXの記事をNext.jsに読み込む

Next.jsでMDXを読み込みたい場合は@next/mdxというパッケージを使えば良い基本的にはOKです。 だた、私はJekyllのFront Matterみたいなやつを使いたかったので、next-mdx-enhancedに少し手を加えたものを使っています。

たとえばこの記事の書き出しは以下のような感じになっています。 ここに書いた情報を、記事のレイアウトや後述する記事一覧ページなどで使っていくことになります。

---
title: Next.js + MDXでブログを作る 〜 Blanktarの場合
pubtime: 2020-05-09T16:05:00+09:00
tags: [nextjs, mdx, nodejs, javascript, typescript, ブログ]
description: このブログはNext.jsとMDXを使って作られています。Next.jsはブログ用というわけではないので、少し工夫が必要な箇所がありました。この記事は、その工夫をまとめたものです。
---

ちなみに、FrontMatter無しでやろうとすると以下のような感じになるはず。

export const config = {
    amp: 'hybrid',
};

export const metadata = {
    title: 'Next.js + MDXでブログを作る 〜 Blanktarの場合',
    pubtime: new Date('2020-05-09T16:05:00+09:00'),
    tags: ['nextjs', 'mdx', 'nodejs', 'javascript', 'typescript', 'ブログ'],
    description: 'このブログはNext.jsとMDXを使って作られています。Next.jsはブログ用というわけではないので、少し工夫が必要な箇所がありました。この記事は、その工夫をまとめたものです。',
};

Front Matterを使った方がシンプルで好きです。 柔軟性はちょっと下がるので、どちらが良いかは好みかもしれませんが…。

このブログの場合は年別、月別のディレクトリに格納しているので、たとえばこの記事はpages/blog/2020/05/how-to-make-blog-with-nextjs.mdxみたいなファイル名で保存してあります。 個別の記事ページはこれをnext-mdx-enhancedが読み込んでページ化してくれるという流れになっています。

記事一覧ページを作る

個別ページが出来たら一覧ページ、なのですが、Next.jsには全ページのリストみたいなものを取得する機能がありません。 なので、2020年5月の記事一覧みたいなものを簡単に生成する術がありません。

しかたがないので、以下のようなコードでがんばって読み込んでいます。 (実際のものよりかなり簡単にしてあります)

import fs from 'fs';
import frontmatter from 'front-matter';

const BLOG_BASE = './pages/blog';


export function getPosts() {
    const posts = [];

    for (const year of fs.readdirSync(BLOG_BASE)) {
        for (const month of fs.readdirSync(`${BLOG_BASE}/${year}`)) {
            for (const file of fs.readdirSync(`${BLOG_BASE}/${year}/${month}`)) {
                const path = `/${year}/${month}/${file}`;

                const article = frontmatter(fs.readFileSync(BLOG_BASE + path, 'utf8'));

                posts.push({
                    ...article.attributes,  // Front Matterの部分。記事一覧とかで使う。
                    body: article.body,     // 記事本体。後述する記事検索で使う。
                    href: '/blog' + path.replace(/\.mdx$/, ''),
                });
            }
        }
    }

    return posts;
}

これで記事の一覧が取得出来ます。 まあ、nodeのfsモジュールで頑張っているだけなのですが。

あとはこれで記事一覧を作れば完成…なのですが、ここで少し注意が必要な箇所があります。

Vercel Nowにデプロイする時なんかに使うserverlessモードでは、1ページ1スクリプトにまとめてビルドされるようになっています。 そのスクリプトを1ページ分ずつ別々にデプロイするので、自分以外のファイルには触れることが出来ません。

簡単に言うと、実行時にはファイルシステムに触れないと考えてしまって良いと思います。

というわけで、getPostsgetServerSidePropsの中で呼び出すようにしましょう。 そうすればビルド時(= npm run buildしたとき)に実行してくれるので、上記の問題を回避することが出来ます。

コードにすると、記事一覧ページは以下のような感じになります。

import Link from 'next/link';

import { getPosts } from 'さっき作った記事一覧を取得するコード';


const BlogIndex = ({ posts }) => (
    <ul>
        {posts.map(p => (
            <li key={p.href}>
                <Link href={p.href}<a>{p.title}</a></Link>
            </li>
        ))}
    </ul>
);


export getServerSideProps = () => {
    return {
        props: {
            posts: getPosts(),
        },
    };
};


export default BlogIndex;

記事検索機能を付ける

記事検索をタグの代わりにしているので、全文検索を入れたかったのですが… どうも、手軽に使えて精度が高そうなものを見つけられませんでした。

考えてみたらこのブログは300個くらいしか投稿が無いですし、全部合わせても1MBに届きません。 だったら普通にfor文回しても問題無いだろうと思い、そのような実装にしています。 実際右上の検索ボックスから試してみて頂いても、違和感の無い速度を体感出来るかと思います。

なので、検索用のコードは以下のような感じ。 (これも実際のものよりかなり簡略化しています。)

import { getPosts } from 'さっき作った記事一覧を取得するコード';


export function searchPosts(query) {
    return getPosts().filter(p => {
        x.body.includes(query),
    });
}

恐しく単純ですね。

ここまでは問題無いのですが、先ほども出た実行時にはファイルシステムに触れない問題が出てきます。 検索はどうやっても実行時やらざるをえないので、これがちょっと困った問題になります。

Blanktarでは、preval.macroというモジュールを使うことでこの問題を回避しています。 このモジュールを使うと、「getPostsはビルド時に実行しておいて、searchPostsだけは実行時に実行する」みたいなことが出来るようになります。 C++のconstexprみたいなイメージ?

preval.macroを使ったコードは以下のようになります。

import preval from 'preval.macro';


const posts = preval`
    // この中に書いたコードはビルド時に実行される
    module.exports = require('さっき作った記事一覧を取得するコード').getPosts();
`;


export function searchPosts(query) {
    return posts.filter(p => {
        x.body.includes(query),
    });
}

これで、fsモジュールを使うのはビルド時だけになったので、問題無く検索出来るようになります。


工夫が必要といっても、ご覧の通りそんなに難しいことをしているわけではありません。 ちょっとやれば色々なものを作れるので楽で良いですよね、Next.js。